円形無気肺

円形無気肺とは
 円形無気肺は臓側胸膜の病変によって発生する円形ないし類円形の2.5〜5.0cm代の末梢性無気肺をいう。
 良性石綿胸水後に発生することがおおいとされているが、結核性胸膜炎、細菌性胸膜炎、珪肺症、うっ血性心不
全などでも発生することがある。
 通常胸膜プラークは伴うことが多いが、胸水は伴わない場合もある。
 中高年、男性に多く、咳、痰、胸痛、呼吸困難などの症状を伴うことがある。
 一般に呼吸機能障害を認めることはないが、肺ガンとの鑑別が難しい場合がある。

画像診断
  *胸水または肥厚した胸膜に接する肺野末梢の腫瘤影。
  *胸膜と腫瘤影のなす角度は鋭角。
  *肺血管、気管支の収束像(comet tail sign)が特徴的。
  *腫瘤辺縁にair bronchogramを認めることが多い。

病理組織学的特徴
   胸膜肥厚と肺組織の非特異的炎症所見のみ。

労災
   円形無気肺のみで労災対象にはならない。