石綿関連疾患と石綿ばく露との関係

部位 特異的 非特異的
肺内 石綿肺 肺がん
胸膜 中皮腫 良性胸膜炎(良性石綿胸水)
胸膜プラーク びまん性胸膜肥厚
円形無気肺
石綿肺とびまん性間質性肺炎の鑑別は胸部XPやCTでは難しい。



 石綿ばく露量、潜伏期間および合併症(Bohlig 1975)
            (この図はよく引用されています)

   石綿肺は高濃度ばく露の例で10年以上経過してから発生する。
   胸膜プラークはばく露開始から15〜30年を経て出現する。
      10年未満では発生しない。
      20年を経過すると一部が石灰化する。
   肺ガン発生にはばく露量が多くなると発生しやすい(量−反応関係あり)。
      ばく露から発生までの潜伏期間は43年(中央値 岸本ら)
      労災認定に必要なばく露期間は10年。
      石綿新法では10年未満でも石綿小体などが一定量以上あれば認定とする。
   中皮腫はおおむね40年を経て発生。少なくとも20年
      中皮腫は低濃度ばく露でも発生。