定義

 じん肺法第2条によるじん肺の定義は、以下のようになっています。
  「じん肺とは、粉じんを吸入することによって肺に生じた繊維増殖性変化を主体とする 疾病を言う。」
  じん肺は末梢気道の病変から始まり、じん肺性肉芽病変の形成、繊維増殖性変化を起こします。長い経過のなか
で不可逆的変化あるいは進行性病変として気腫性変化、肺性心 、右心不全に至る例も例もあります。
 トンネル工夫、鉱山の鉱夫など粉塵作業下において発生する職業性疾病です。

 症状

 自覚症状は咳・痰・胸がぜいぜいするなど<気管支の症状>が先ず最初です。
 その後、呼吸困難(最初は労作時のみ)など<肺の機能の低下>に伴う症状が出現します。 さらに<肺性心
といって心臓も悪くなると全身の症状が出現します。

 検査

  粉塵作業歴 ……………………………患者本人が記載します。   
   胸部レントゲン写真(XP)……………… 管理区分申請時に提出します。
   痰、血液検査など …………………合併症検査時に必要です。
  肺機能検査(肺活量、1秒率) ………最も基礎的な肺機能検査です。
  合併症に関する検査  ……………… 結核・続発性気管支炎などの検査

 レントゲン写真区分 (労働省発行の標準エックス線写真と比較し判定する)

第1型;
    両肺野にじん肺による粒状影または不整形印影が少数(PR1)あり、かつ、大印影
    がないと認められるもの。
第2型;
    両肺野にじん肺による粒状影または不整形印影が多数(PR2)あり、かつ、大印影
    がないと認められるもの。
第3型;
    両肺野にじん肺による粒状影または不整形印影が極めて多数(PR3)あり、かつ、
    大印影がないと認められるもの。
第4型;
    大印影があると認められるもの(PR4)。
 
  粉じんからレントゲン1型を確認するまでの期間は15〜20年間といわれています。
 じん肺健診の記録とレントゲン写真は7年間の保存義務があります。