アスベスト(石綿)とは、天然に産出する繊維状鉱物の総称で、ギリシャ語の「永遠不滅」に由来しています。6種
類に分類されますが、そのうち産業界で使用されるのはクリソタイル(白石綿)クロシドライト(青石綿)及びアモサイ
ト(茶石綿)の3種類です。一番多く使われてきたのがクリソタイルです。

 アスベストは、耐熱性・保温性・耐久性・耐薬品性・電気絶縁性に優れており安価なため、艦船、機関車、水道管、
製鉄・化学工場の断熱、自動車のブレーキライニング、建材など多用途に使用されてきました。
 今日ではその約90%が屋根用化粧スレート・サイディング・壁材・内装材などの建材として利用されています。

 アスベストは石綿肺・肺がん・中皮腫などの健康被害を発生させる危険有害物質であることから1971年には特定
化学物質に指定され、1975年には石綿の吹きつけ塗装が禁止されました。
 さらに日本では1995年4月に、特に有害性の高い青石綿と茶石綿の使用は禁止されましたが、平成16年10月1日
に施行された「労働安全衛生法施行令の一部改正(石綿関係)」で、白石綿も原則的に全面使用禁止となりました。
 しかし、一部の用途に限っては、2006年までその使用は認められ、2008年までには全面禁止される予定 です。
 しかし代替え製品への完全移行までにどれくらいかかるかは明確ではありません。

  
白石綿の原石  (厚労省労働基準局資料より) 

  
  白石綿の繊維
  白石綿の偏光顕微鏡写真

    
青石綿
 青石綿の繊維
茶石綿