日本は戦前から製品に使用するアスベストの全量を輸入に依存してきた。
 第二次世界大戦で輸入が途絶えると、国内の石綿鉱山の開発(北海道・山部・クリソタイル、熊本県・松橋・アンソ
フィラメントなど)が至上命令ですすみ、その結果昭和19年には年間8000トンの生産量となった。

 しかし戦後の1949年に輸入が再開されると、生産量の少ない日本の石綿鉱山は数年で閉山となった。その後の
経済発展とともに輸入量が増加した。69年に20万トンを突破し、74年にはピークとなる35万2110トンを輸入した。
 その後90年にいたるまで年間20万トン以上の輸入が続いた。90年以降はILOの石綿管理条約、93年に環境基本
法が制定などにより急速に減少した。

 アスベストを含有する製品の製造・輸入禁止の範囲が拡大された04年には8162トンにまで減っている。
 04年の主な輸入国とシェアは、カナダ65.7%、ブラジル19.5%、ジンバブエ10.8%となっている。 

 
(厚労省労働基準局資料より) 青矢印は石綿関連疾患での最初の報告例を示す。